Q30.オーガニックコットンへの目覚め
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環境問題からペルーの古代文明への関心

地球環境保護意識の高まりの中、アメリカ テキサス大学の文化人類学教授ジェームズ ブリーランド氏は自然を損ねない綿花の栽培方法を化学農薬のなかった過去に遡ることで発見できるのではないかという考えました。ブリーランド氏は古代人の大自然に融合した農法に強いインスピュレーションを持ち1980年に『NATIVE COTTON COLOR PROJECT』を正規の研究グループとして発足させました。その研究グループは文化人類学、考古学、民族歴史学、植物学、地質学の専門家たちによって構成され、古代ペルーで行なわれていたカラーコットンの再生を目指し、ペルーの北方沿岸地方に4500年前に存在した古代民族MUCHIT族の栽培方法に注目しました。
南米ペルーのインディオが行う綿花栽培は自然の恵みを十分に生かし、何世代に渡り享受できるよう、自然を傷つけることなく、良質の綿花を得ることができる仕組みが脈々と受け継いできました。インデオ達の生活は 大自然に対して常に感謝と畏敬の念をったもので、研究者グループはインデオ達のコットンの栽培方法は生態系を注意深く観察し積み上げられた技術であり、我々先進工業国に住む者が改めて学ぶ価値があると判断しました。私たちが映像資料などで見かける綿花畑は整然と同じ位の高さに揃っている風景がありますこれは大量生産する綿花をより効率よく収穫するために機械化するための品種改良されたものです。しかし、 ペルーで見かけるコットンの木は大きさも高さも不揃いで、大きなものは5mの高さで、一本の木から10kgもの綿花が獲れます。 この為この畑の綿花はすべて人の手で摘みとらなければいけません。大量生産、機械化という文明からはずれてしまったものであります。しかし手摘みされ紡績された糸は機械で収穫されたコットンと比べて綿カスがなく美しいものであります。
インデオ達の伝統工芸を調べ、栽培しているコットンの種類を調べ、ジャングルで発見されたコットンの原木を基に白のほかクリーム色、ベージュ、黄褐色、チョコレート、ふじ色の綿花などが栽培されるまでに至りました。 調査をした結果南米において古代から伝えられたカラードコットンは、コロンブス以来征服者たちにより絶滅した。その理由は生まれつき色のついた綿花は白い綿花にとって混ざると品質評価が悪くなることから夾雑物として扱われ、法律により規制、根絶された。現在、環境保全の立場から染色加工の要らないカラードコットンが脚光を浴び、再びインディオの人々により栽培され私たちの手元に入るようになってきました。
ネオティブコットンプロジェクトの発足
1984年に発足したSICANペルー技術保護開発協会(NGO)もこのネイティブ コットン プロジェクトの支援を始めました。インディオの伝統技術が認められたことと、インディオその他貧困層の人々にフェアートレードの精神をもって正統な労働機会を提供していることが評価されたためです。現在、伝統農業により綿を育てているインディオは15,000人、その後紡績又は関連作業をしている女性労働者は50,000人を超え、成果を上げています。

ペルーコットンの意義
近代農業にある農薬の使用、大型機械の導入などあえて行なわず、インディオの労働力を基本にして貧困の救済支援を行なう。
コカインなどの不法農作物からコットンへの転換促進運動を行う。
収益の一部を貧困層の子供の教育、壊れたままの森林の回復運動に寄贈する。


このプロジェクトに参加する農民の生活保護まで幅広く総合的な規定をしています。1985年からはペルーのこの地において地元の農民の協力を得て、広大な農地を整備し実際に作付けが始まりました。この間、注意深く周辺環境への影響を調査しながら多くの品種の綿を試験栽培してゆき、現在明らかに自然環境に融合していると認められた方法を確立してゆきました。環境の最大の汚染原因は害虫駆除の化学農薬の使用ですが、この方法では品種改良の末できた250種の害虫に耐性のある綿を使用し、捕食関係にある昆虫の散布が行なわれ、その上でこの近隣の子供たちの手によって害虫を取り除き、一切農薬を使うことはありません。子供達の手によって瓶の中を害虫で満たされたものは買い取ります。そのお金は子供達の貴重な収入源の一つとなっています。環境を守るというこのプロジェクトは近隣の農民自身の意識改革のきっかけとなり、 それまでのように安易に農地を焼いたり、違法のコカインの栽培をすることなどを止めて、誇りを持って農業に従事するようになりました。この模様は世界的な自然科学雑誌ナショナル・ジオグラフィックス誌に2回に亘って紹介されました。(1988年10月号、1990年6月号)この中で地球環境を阻害することなく大自然の仕組みに沿ったこの古代の農法が現代の環境汚染問題の解決の糸口になると結んでいます。

 

参考:日本オーガニック流通機構(NOC)