Q34.栽培〜製品まで Part2
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精錬と漂白(通常生産品の場合)
・精錬と漂白作業はなぜするの?
「糸」には不純物が付着しています。その不純物がついている状態ですと「染め」の工程において、染めムラがおきてしまいます。それをなくすための工程です。
精錬と漂白の作業は劇薬を用いてする工程です。

・精錬とは?
天然繊維、合成繊維には不純物が付着しています。天然繊維ですとタンパク質、蝋物質、樹脂、脂肪、石灰類、汗などが不純物です。(1次不純物)
一方合成繊維はこれら不純物をほとんど含んでいませんが、紡績などの工程で付着した糊や油など人工的に付加された不純物がついています。(2次不純物)
これら不純物をアルカリ類(ソーダ灰、苛性ソーダ、珪酸ナトリウムなど)を使って溶解、分解、酸化などの化学作用によって除去する工程をいいます。

・漂白とは?
精錬作業で除ききれない植物本来が持っている色、羊毛自身が持っている色、化学繊維の製造工程で付着した不純物を酸化、あるいは還元作用において分解、可溶性にして繊維を白くする工程をいいます。

漂白に使用する薬品には
亜鉛酸ナトリウム(NaClO2)、過酸化水素(H2O2)、さらし粉など

還元漂白剤としてはハイドロサルファイト (Na2SO4)亜流酸ナトリウム (Na2SO3)

繊維によってはぜい化させてしまうものがあるので、繊維の種類によって使い分ける必要があります。

木綿の場合漂白の工程が終わったら糸や生地に残っている塩素分を取り除くために脱塩素処理をします。このときに使う薬品はチオ硫酸ナトリウム等です。

市販の「生成色」として売られている生地や糸はこの工程をすましてあり、簡単な水洗いをするだけで、染めることが可能です。
ただ、ムッレで販売している生成色のオーガニックコットンは製錬の工程を弱アルカリでしており、漂白をしていませんので、カンタンには染まりません。
染める
糸を染める染料は合成染料と天然染料があります。

日本では明治20年頃までは草木染めが一般的でした。

合成染料は1856年イギリスで、W・Hパーキンがマラリアの特効薬であるキニーネを合成する目的で粗製硫酸アニンを重クロム酸カリウムで酸化してできた黒色の沈殿物を研究したところ偶然赤紫色の色素モーベン(塩基性染料)を発見したのが始まりです。

染料の種類と相性
染料 木綿 羊毛 レーヨン ナイロン アクリル
直接染料 ×
酸性染料 × ×
反応性染料 ×
塩基性染料 × × × ×
植物染料 × × ×
◎染着性が良好 ○染着する ×染着性が悪い

国内で生産しているオーガニックコットン製品の多くは草木染めを使用しています。草木染めの触媒として使用するものは。
焼明ミョウバン、木灰汁、豆汁、アルミ、鉄、銅、クロム、錫などの金属塩を使用します。古来からの占領の触媒としては鉄分を含む水、アルミ温泉、明礬石、木灰汁、豆汁の利用が主でした。

触媒と染め液を交互につけることにより色素を定着させゆ行きます。

さてここで問題になるのが、「金属塩」を触媒に使う場合による染めの工程です。草木染めの工程において木灰汁や豆汁などの灰汁を使用したものであれば人体や環境にやさしい染といえます。しかし、着色が安定しない、均一な染めができない。(毎回違う色ができてしまう)などのことから合成染料による染が安定供給という点において優れているといえます。そして忘れてはいけないのは「重金属塩」を使用しての染め工程もあるということです。重金属を使用するということで排水処理や人体への影響が考えられます。ヨーロッパではそのような観点から草木染めを禁止しているところもあるということです。

しかし、重金属塩(鉄、アルミ、銅,クロム塩)などは自然界に存在するものです。「ここの涌き水は鉄分がたくさん含まれているので・・・」ということもあります。それをうまく利用して○○染めなど日本各地にその土地独自の染めが存在するのも事実です。

自然界に影響を与える量(多量)を排出するのは問題であるという観点で言えば合成染料は必要であり、その視点で発展してきました。
そして、染め上がったあとの染料の堅牢性からするとどうしても化学反応をうまく利用して染める合成染料のほうに軍杯が挙がってしまいます。

でも草木染めには草木染めの味があり、よさがあります。一般流通のものの中には「なんちゃって草木染め」も在るのも事実です。

家庭で簡単にできる草木染め
 必要なもの
  中性洗剤・食物酢・オキシドール・大豆・古釘・炭酸カリウム・クエン酸・明礬
  (ミョウバン)・酒石英・木灰液

触媒液
(1)鉄漿液(おはぐろえき)
 ステンレス製のなべまたはボールに水(500cc)食物酢を入れその中に古釘を  入れ煮詰め、1週間から10日放置し,古釘を除いて完成。(古釘は再利用)
 食物酢の変わりに木酢液でもよいが、タール分が含まれているので注意。

(2)豆下地(木綿を濃く染める触媒)
 大豆50gを一番水につけふやかし、ミキサーに大豆と水1Lをいれ約1分間攪拌
 し、布で豆汁をこす。

(3)木灰液
 つばきの生木を燃やしできた灰を水に溶かした上澄み液(アルカリ液)

簡単に手に入る原料(台所など身近に在るに在るもの)

 セイヨウタンポポ、よもぎ、どくだみ、桜の葉、びわ、ハナミズキ、柿、クワ、キンモクセイ、モミジ、マリーゴールド、春菊、コブナクサ、ウコン、緑茶、コーヒー、紅茶、ピーナッツ、たまねぎ、イヌタデ、荒地待宵草、ブタクサ、セイタカアワダチソウ、ハルジオン、紅花

手順
(1) 原料となる植物を多量に摘んでくる(季節によって採る植物は違ってきます
    ので、専門書を参考になさってください。)

(2) 植物を煮て染料液を作る。

(3) 染めやすいように中性洗剤とうで、余分な汚れを落とし(精錬)布を染料液
    に浸す。このときに染める繊維、意図する色に染めるためにさまざまな工
    程を加味します。

    ・染料の中に布(糸)を浸して、煮る。
    ・染料液に浸す前に触媒液に浸す。

(4) 水洗い後、天日干し。使用する染料によって日陰干しが好ましいものもあ
    るので、専門書をご覧ください。

参考図書:京都造形芸術大学編 織を学ぶ
       山崎和樹著 草木染